結婚式での身内・親族の装い

身内の結婚式で装う黒留袖

兄弟や親族の結婚式や披露宴に列席する場合の既婚者の第一礼装は、五つ紋付きの黒留袖比翼付きを装うのが正式です。

未婚者は振袖か紋付きの色留袖が相応しい装いとなります。新郎新婦の母親は主催者になりますので、もっとも格のある着物でゲストを迎える立場になるため、黒留袖が最も最適な装いとなります。

留袖の買い方、選び方

黒留袖を装う機会は、それほど頻度が多くはありません。何枚も買い替える訳にもいきませんので、柄・模様を選ぶ際は、長く着られるものを選ぶことが経済的です。個性的な柄や流行性の強い模様は避け、十年以上経っても着用できる着物を選ぶのが賢明です。長く着用するのに最適な柄ゆきは、飽きのこないオーソドックスなもの、松竹梅や欄・竹・梅・菊が描かれた四君子などの古典柄やおめでたい席に相応しい吉祥文様を選ぶとよいです。２０～３０歳代では少し地味目な柄ゆきの黒留袖でも、袋帯を色目の明るめなものや派手目のものを合わすことで全体の雰囲気を変えることができます。年齢があがってきましたら、袋帯を少し抑えた色目や地味目なものを合わせて落ち着いた雰囲気の装いができます。

色留袖は黒留袖に比べますと着用する機会は、多くなります。着る場面や年齢に合わせて誂えてもいいですし、黒留袖同様に長く着用できるものを選ばれてもよいかと思います。

帯の合わせ方

白または銀地の金襴か唐織りの丸帯が正式でしたが、締めるのが難しく高価であるため、現在では袋帯が主流となっています。

唐織り、唐錦、綾錦、佐賀錦などの錦織りや綴織りなど格調高い礼装用の袋帯を選んでください。着物と帯を合せる際には、格を揃えることが肝心です。着物が吉祥文様をメインの古典柄の場合、帯も有職文様にすると格が合います。それとは逆に、着物がバラや蘭など洋花がメインとなるモダンな柄ゆきの場合、金・銀の無地感覚な帯、抽象柄の帯などが相応しいくなります。モダンな柄ゆきの着物に、古典柄や有職文様は原則的に合すことはしません。

和装小物の合わせ方

帯締め

白綸子または羽二重の丸ぐけが正式となります。白・金、銀の平打ちか丸組を用いることもできます。

帯揚げ

綸子や羽二重、ちりめん、絞りの白色を用意してください。

草履

綴地の金、銀、無地などの腰高のものを合わせます。かかとが高い（腰高）ものが礼装用とされています。

末広（扇子）

基本的には黒の漆塗りの骨に金銀の地紙のものを用います。地方により若干違いがあり、使用しない地域もあります。
左胸側の帯と帯揚げの間にかなめを下に差してください。

姉妹・親族の着物

姉妹・親族の装い　　黒留袖・色留袖・振袖・訪問着・色無地

既婚の姉妹・親族の着物　　黒留袖・色留袖

新郎新婦の母親同様に、姉妹や親族もゲストをお迎えする立場になります。３親等内や親しい親族は、格のある装いをすると考えてください。

基本は、両家の母親が黒留袖を着用されるのであれば、既婚の姉妹や親族は黒留袖または色留袖をお召になってください。色留袖を着用する際も姉妹、義姉妹は、他の親族より格下にならないよう染め抜き日向五つ紋にし、黒留袖と同格にするのが正式です。両家の母親が黒留袖を着用されない場合は、母親より格上にならないようにしてください。結婚式や披露宴などの場合は、事前に服装の確認をとることも大切です。

未婚の姉妹・親族の着物　　振袖・色留袖

未婚女性は黒留袖を着用できませんので、振袖や色留袖が相応しい装いとなります。

基本、未婚女性の第一礼装は振袖となりますが、式や披露宴の雰囲気を考慮し振袖・色留袖にするかを考えてください。

平服指定の場合　色留袖・振袖・色無地・訪問着

ゲストは略礼装の装いとなりますので、姉妹・親族も三つ紋・一つ紋色留袖や色無地、訪問着で準礼装の装いを心がけてください。

未婚の姉妹の振袖姿は、平服指定の場合でも華やかさがでますので着用されてもかまいません。基本、主催者側は正装でまず問題ないと思ってください。