着物の豆知識
2017年03月30日
着物Q&A・豆知識
着物の疑問、質問 Q&A
お客様からご質問があった着物に関する質問や疑問をご紹介いたします。
着物を着たいけれど…
普段、着物を着ることがないので分からないことだらけ…
周りに着物に関する相談できる人がいないので…
お客様とお話しするとお悩みごとが意外に多いことに気付きました。
和服・着物に関して、これが100%正解であるというものはないと思っております。
個人的は見解なども含まれるかもしれませんが、着物を大切に思ってくださる皆様の不安、疑問が少しでも解消できれば幸いです。
着物のTPOや仕立て方などは、地域性や考え方によって異なる場合がございます。
お客様からよせられる疑問や質問は、当店スタッフの成長、又はサービス向上にもつながりますので、気軽にお問い合わせください。
質問の一例
娘の結婚式で、母親が大切にしていた黒留袖を着用しようと思っています。結婚式場でレンタルできる黒留袖は、衿下位から金の刺繍などたくさん柄にはいっていて華やかです。母親の留袖は、昔のものなのか地味にみえますが、式で着用しても問題ないでしょうか? |
黒留袖にもいろいろな柄のものがあります。例えば、加賀友禅の黒留袖は、箔や刺繍などによる加飾を殆ど施さずに染めだけで仕上げているので、シックで落ち着いた雰囲気が魅力です。 式場のレンタル品は、全部ではないと思いますが、写真映えのするものや華やかなものを中心に取り揃えていらっしゃるように思います。 お客様の黒留袖の着物は、刺繍の鳳凰柄でシックな装いの印象で大変いいと思いますし、何よりお孫さんの結婚式で娘が自分の大切にしていた留袖を着用している姿をみることができたら、お母様が大変喜ばれると思いますよ。 結果→汚れている箇所を当店でお手入れし、お母様の黒留袖をご着用されました。 |
娘の卒園式に着物を着て行きたいと思っています。卒園式で着れるような着物を持っていませんので、購入しようと考えています。できれば訪問着がいいのですが、どのような着物を選んだらよいか分からないので教えていただけますか? |
付下げや色無地が一般的によいとはされていますが、最近では訪問着をお召になる方も多くなっています。ただ、主役はお子様になりますので豪華なものは避け、加賀友禅のような落ち着いた雰囲気のもの、金箔や刺繍の少な目の物、衿・胸元や裾柄もできるだけ少ないものを選んでください。 結果→ご理解はしていただきましたが、、実際に百貨店や呉服店などに行ったら店員の勧められるがままになりそうとのご相談を受けた為、お客様のご希望の色目などをお聞きし、ご希望に沿うものを用意しご自宅に伺いご覧いただきました。 |
着物の丸洗い(クリーニング)は、どのくらいの頻度で出せばいいのですか? |
基本は、ワンシーズン一回していただくのが理想ですが、お召になる回数や着用される用途によっても違います。外を歩く時間が長いと塵や埃などの目に見えない汚れが付着します。室内で着る機会が多い方は、その心配はあまりないです。丸洗いは、目に見えない汚れ、ファンデーション、皮脂、塵、埃、排ガスなど油性の汚れに効果的なお手入れ方法です。丸洗いを頻繁にするよりも、着用時に必ずといっていいほど汚れてしまう衿、袖口、裾の部分洗い(染み抜き)をシーズン終りに出していただくことをお勧めします。胸元、腰回りなどの汗は、悉皆屋、呉服店などの着物専門店で汗とりの必要があるか見積りをしてもらってください。ただ汚れがあると気付かれた場合は、長期間放置すると変色し取れにくくなりますので専門店に相談してください。早めのお手入れが費用を抑え、尚且つ着物にダメージを与えない最善の方法です。 |
お宮参りで使用した祝着(初着)を3歳の七五三でも着せることは可能でしょうか? |
可能です。年齢的には三つ身裁ちの着物が最適な寸法ですが、一般的には祝着(男の子は熨斗目)を3歳の七五三で着せることが多いです。その際に、肩揚げ・腰揚げ・共紐の位置を下げる、又は別紐(モス)など結びやすいものに付け替える・下着(長襦袢)の付け袖(女の子は赤色、男の子は水色が多い)を外す・下着(長襦袢)に半衿を付ける・袖口から下をとじ、袖の丸みをつけて七五三用着物に仕立て直します。 |
着物の仕立てについて、国内手縫い仕立て、海外手縫い仕立て、ミシン(ハイテク)仕立てなどいろいろな仕立てがありますが、何か違いがあるのですか?どうやって仕立てを選べばよいのですか? |
一般的に言われるのが、国内手縫い仕立は、1枚の着物を1人の和裁士が仕立てます。糸の加減などが一定であったり、目ではみえない縫い代の始末や衿の縫い代の伸ばし加減など細部にわたって職人の技がつまっており着易いといわれます。また、体型や要望にあわせて寸法調整などの細かな要望にも対応できる。礼装用や格のある着物、結城紬、大島紬、上布や芭蕉布など高価なものは、生地の特性などをよく理解した国内和裁士に依頼されるケースが多いようです。海外手縫い仕立は、各パーツごとに専門のワーカーが仕立てます。分業体制で効率的に縫製ができる為、物価の違いもあり国内仕立てより仕立代が安価です。お出掛け着、普段着やお稽古着、長襦袢などは海外仕立を依頼されるようです。ミシン(ハイテク)仕立は、目が粗い生地(羅など)、手縫い・運針できない生地、コート(キセがない割り仕立てのもの)、浴衣、化繊の着物などによく用いられる仕立てです。上糸と下糸が絡みあうので強度があります。洗張りや寸法出しなどの修理の際に、縫い後が消えにくくなりますが、強い力がかかる部分などは縫い目が割れないなどのメリットもあります。それぞれの特徴をふまえて、ご自身の予算や着る用途に合わせてお選びください。 |
近くのクリーニング店に総絞りの着物をお手入れに出しました。出来上がりを取りに行くと絞りがつぶれて平べったくなり風合いが変わりました。おまけに着物が縮んでしまったように思うのですが、こんなことがあるんですか? |
あります。絞りの着物は、もともと生地を絞ってつくられていますので、縮みやすく伸びやすい為とても慎重に取り扱う必要がある生地です。料金なども割高なところが多いです。蒸気や水分などが加わる加工、洗張りや生地の整理(湯のし)、部分洗い(染み抜き)、丸洗い、プレス仕上げなどでも生地の縮み・伸びることがありますので承る際に通常はご説明してからお預かりします。絞りやビロードなどの取扱いが難しい着物は、着物専門店や悉皆屋などにご相談することをお勧めします。また、部分的に直せるものではないので、それを直す、マシにするには、着物を一度全部解いて洗張り、または手湯のしをし仕立直しをする必要があります。それでも元の風合い通りにはできないですが、絞りの風合いはある程度なら戻すことができると思います。 |
六月に友達の結婚式に出席します。式場で着付けをしてもらう予定なのですが、単衣の着物をもっていません。袷の着物を着てもおかしくありませんか? |
問題ないと思います。ホテル、結婚式場内は、クーラーなど空調設備が整っています。女性なら逆に寒いと感じるほどの場合もあるかと思います。黒留袖をお召の親族の方や式場で着付けをしていただく出席者の方、振袖をお召になる方、大半が袷の場合が多いように思います。着物でご出席されるだけでも式が華やかな雰囲気になりご親族様も喜んでいただけるかと思います。その時、着物の色目を涼しげなものや明るめのトーンのものを選ばれると尚よいかと思います。 |
着物通販ショップでリサイクルの着物を購入しましたが、サイズが合わないので寸法を直していただけますか?縫い糸が切れてほころんでいるところがあるので修理もできますか?着用予定があるのですが、間に合いますか? |
電話だけではお答えできません。寸法を小さく、幅を狭くする場合は大丈夫ですが、広くしたり、長くする場合は、縫い代の分量で寸法通りできるか判断しなくてはいけません。また表生地が焼け・汚れが薄っすらでもあると縫い代との色違いがけっこう分かりますし、折りスジが消えるかも解いてみないとわかりません。縫い糸が切れているところは修理できますが、糸が切れているのも全体が弱っていれば着用時に他の部分もほころぶ恐れもありますので、全体を解いて仕立て直した方がよい場合もあります。そのお着物がとても気に入ってられ、どうしても間にあわせて欲しいというご希望であれば、どの方法でも今ならなんとかできます。ただ、糸が切れているのを表記しないで通販で販売されていたのなら、販売する側に原因がありますので一度購入された通販ショップに料金をもってもらえるかなど相談・問い合わせてください。 結果→販売店の寸法表記ミス、ほころびは気付いていなかったようで返品を承諾され、違う着物をその着物通販ショップで購入されました。最近、着物通販でのトラブルが増えてきているようですので、初めて購入するお店で気になる商品がある場合は、一度問合せをしてみる。画像だけでは色合いや生地の感じなどの詳細が分からないので実物をみて気に入らない場合は、返品できるか。本当に在庫があるのか。などよく確かめてから購入してください。最近では、大手の着物通販ショップの偽サイト、詐欺サイト(そのまま画像や説明をコピー)なども出てきているようです。十分に注意してお買物をしてください。 |